読んでおきたい!叙述トリックが秀逸なミステリ小説20選

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叙述トリックとは小説という形式自体が持つ暗黙の前提や、偏見を利用したトリックです。最後に解るどんでん返しが魅力。そんな叙述トリックの秀逸なミステリー小説をまとめました。どれもおすすめです。トリックは全て伏せてあります。気持ちよく騙されたい方は是非読んでみてください。

十角館の殺人

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

 

 十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!’87年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。

叙述トリックといえば外せない名作。
館シリーズとして現在9作品刊行されています。どれも叙述トリックの作品になっており、それぞれ異なるトリックで毎度驚かされます。

こちらの作品、読むときは「新装改訂版」を強くお勧めします。トリックの種明かしが強烈に伝わる仕掛けになっています。

ハサミ男

ハサミ男 (講談社文庫)

ハサミ男 (講談社文庫)

 

 美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作。

映画化されてますね。私は未見なのでトリックをどのように映像化しているのか気になります。

猟奇殺人ものはグロテスクな表現があり、読後感が悪いものが多いですが、この本の読後感はなぜか悪くないです。

葉桜の季節に君を想うということ

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

 

 「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして―。あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本です。

ミステリー色は薄めです。正統派ミステリファンには物足りないかもしれません。

しかし、私が読んだ中で最もインパクトのある叙述トリックです。「え?そうなの?」と思わず読み返すぐらい強烈です。

そしてトリックにより明かされるタイトルの意味。感慨深いものがあります。

向日葵の咲かない夏

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

 

 夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。

タイトルと表紙からジュブナイルのような話かと思っていたのですが、まったく違いました。

この本は読む人を選びます。あえて表現するなら「気持ちが悪い」と感じる箇所があります。本屋で数ページ読んでみて読めそうなら、読む価値はあると思います。

占星術殺人事件

占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)

占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)

 

 密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。彼の死後、六人の若い女性が行方不明となり肉体の一部を切り取られた姿で日本各地で発見される。事件から四十数年、未だ解かれていない猟奇殺人のトリックとは!? 名探偵・御手洗潔を生んだ衝撃のデビュー作、完全版! 二〇一一年十一月刊行の週刊文春臨時増刊「東西ミステリーベスト一〇〇」では、日本ミステリー部門第三位に選出。

少々古い作品なので、やや読みづらさを感じさせる文体になっていますが、内容は色あせず楽しめる作品になっています。

何でも未だに「あれ」を探し続けている人もいるとか…

倒錯のロンド

倒錯のロンド (講談社文庫)

倒錯のロンド (講談社文庫)

 

 精魂こめて執筆し、受賞まちがいなしと自負した推理小説新人賞応募作が盗まれた。―その“原作者”と“盗作者”の、緊迫の駆け引き。巧妙極まりない仕掛けとリフレインする謎が解き明かされたときの衝撃の真相。鬼才島田荘司氏が「驚嘆すべき傑作」と賞替する、本格推理の新鋭による力作長編推理。

説明文の通り後半に掛けて、畳み掛けるリフレインする謎が秀逸です。正直言ってなにが本当か分からなくなります。世にも奇妙な物語を連想させます。

殺戮にいたる病

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

 

 永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔!くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。

この本はかなりグロテスクな表現が含まれています。ちょっと引くレベルなので、苦手な方はご注意を。

これぞ叙述トリックの原点ともいえる内容で、グロテスクな表現で巧みに真相を煙に巻いています。ラストは衝撃的なので、こちらもご注意を。

ロートレック荘事件

ロートレック荘事件 (新潮文庫)

ロートレック荘事件 (新潮文庫)

 

夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。ロートレックの作品に彩られ、優雅な数日間のバカンスが始まったかに見えたのだが…。二発の銃声が惨劇の始まりを告げた。一人また一人、美女が殺される。邸内の人間の犯行か?アリバイを持たぬ者は?動機は?推理小説史上初のトリックが読者を迷宮へと誘う。前人未到のメタ・ミステリー。

日本三大SF作家筒井康孝御大の著書です。
作品全体がトリックへの布石のような作品で、所謂本格ミステリーとは一線を画しています。とはいえ一読の価値あります。短いですし。是非。

すべてがFになる

すべてがFになる THE PERFECT INSIDER S&M

すべてがFになる THE PERFECT INSIDER S&M

 

孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。

トリック、タイトルの意味、すべてが論理的にまとめられており、すとんと落ちるトリックです。ただ、登場人物がキャラクタ性に欠ける部分があり、その点残念に思います。

ゲームとかドラマにもなってるんでしたっけ?

アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

 

引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は―たった一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!注目の気鋭が放つ清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。

映画化もされてますね。トリックをどのように映像化しているのか気になります。ミステリー色は薄く、トリックもまあまあといったところでしょうか。サブカル的な文章で、そっち系の本が好きな人にはおすすめです。

アクロイド殺し

アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 

深夜の電話に駆けつけたシェパード医師が見たのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿。容疑者である氏の甥が行方をくらませ、事件は早くも迷宮入りの様相を呈し始めた。だが、村に越してきた変人が名探偵ポアロと判明し、局面は新たな展開を…驚愕の真相でミステリ界に大きな波紋を投じた名作が新訳で登場。

世界初の著名な叙述トリック作品。ミステリ界に物議を醸しだした一作です。有名な作品なのでネタばれしてる人もいるでしょうが、それでも面白いです。ご一読あれ。

仮題・中学殺人事件

仮題・中学殺人事件 (ポテトとスーパー) (創元推理文庫)

仮題・中学殺人事件 (ポテトとスーパー) (創元推理文庫)

 

マンガ原作者、石黒竜樹が殺され、少女マンガ界の第一人者、山添みはるが逮捕される。次いで石黒とコンビを組んでいた千晶留美にも嫌疑がかかる。スーパーとポテトは、時刻表を駆使してみごとに犯人のアリバイトリックを見破る。続いて、二人の通う中学校で起きた密室殺人?!周到に仕組まれた謎とトリック。そして奇想天外な仕掛け。辻真先の鮮烈なデビュー長編、ここに復活。

「読者が犯人」の作品です。ネタばれ?違います。それは読んだ人しか分かりません。もともとソノラマ文庫という中学生~高校生向けの文庫のものなので、本格ミステリではないですが、一読の価値ありです。

慟哭

慟哭 (創元推理文庫)

慟哭 (創元推理文庫)

 

連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。異例の昇進をした若手キャリアの課長をめぐり、警察内に不協和音が漂う一方、マスコミは彼の私生活に関心をよせる。こうした緊張下で事態は新しい方向へ!幼女殺人や怪しげな宗教の生態、現代の家族を題材に、人間の内奥の痛切な叫びを、鮮やかな構成と筆力で描破した本格長編。

叙述トリックとしては若干弱く、読みなれた人ならトリックに気づいてしまうかもしれません。ただ、人物描写がすばらしく、主人公の堕ち行く様が重厚に書かれています。

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

 

天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。

映画にもなってますね。言わずと知れた傑作です。特に語ることはありません。読んでみてください。

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)

 

二代目教祖の継承問題で揺れる巨大な宗教団体“惟霊講会”。超能力を見込まれて信者の失踪事件を追うヨギガンジーは、布教のための小冊子「しあわせの書」に出会った。41字詰15行組みの何の変哲もない文庫サイズのその本には、実はある者の怪しげな企みが隠されていたのだ―。マジシャンでもある著者が、この文庫本で試みた驚くべき企てを、どうか未読の方には明かさないでください。

叙述トリックではないのですが、作品そのものがトリックです。内容自体はたいした話ではないのですが、そのトリックが明かされたとき「え、そんな事可能なの?」と唖然としました。短い本ですのですぐ読めます、そのトリックを体感してみてください。

鏡の中は日曜日

鏡の中は日曜日 (講談社文庫)

鏡の中は日曜日 (講談社文庫)

 

梵貝荘と呼ばれる法螺貝様の異形の館。マラルメを研究する館の主・瑞門龍司郎が主催する「火曜会」の夜、奇妙な殺人事件が発生する。事件は、名探偵の活躍により解決するが、年を経た後、再調査が現代の名探偵・石動戯作に持ち込まれる。時間を超え交錯する謎。まさに完璧な本格ミステリ。続編「樒/榁」を同時収録。

トリック自体に新しさはありませんが、過去と現在が交錯しながら展開する様が面白く、読者を心地よく惑わせてくれます。続編も収録されています。順番にお読みください。

星降り山荘の殺人

星降り山荘の殺人 (講談社文庫)

星降り山荘の殺人 (講談社文庫)

 

雪に閉ざされた山荘。ある夜、そこに集められたUFO研究家、スターウォッチャー、売れっ子女流作家など、一癖も二癖もある人物たち。交通が遮断され、電気も電話も通じていない陸の孤島で次々と起きる殺人事件…。果たして犯人は誰なのか!?あくまでもフェアに、読者に真っ向勝負を挑む本格長編推理。

本格ミステリの部類になるでしょうか、フェアな手がかりを提示して犯人を推理できる内容になっています。そこに叙述トリックを挟み込む。見事な作品です。

冤罪者

冤罪者 (文春文庫)

冤罪者 (文春文庫)

 

ノンフィクション作家・五十嵐友也のもとに届けられた一通の手紙。それは連続婦女暴行魔として拘置中の河原輝男が冤罪を主張し、助力を求めるものだった。しかし自らの婚約者を犯人に殺された五十嵐にとって、それはとても素直に受け取れるものではない。河原の他に真犯人がいるのだろうか。謎のまた謎の千枚。

叙述トリック作家として定評のある折原一氏の作品。直木賞候補になったとか。叙述トリックと分かって読んでも騙されてしまう。著者の筆力に脱帽です。

仮面山荘殺人事件

仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)

仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)

 

八人の男女が集まる山荘に、逃亡中の銀行強盗が侵入した。外部との連絡を断たれた八人は脱出を試みるが、ことごとく失敗に終わる。恐怖と緊張が高まる中、ついに一人が殺される。だが状況から考えて、犯人は強盗たちではありえなかった。七人の男女は互いに疑心暗鬼にかられ、パニックに陥っていった…。

東野圭吾氏のクローズドサークルもの。様々に起こる事象がトリックにより収束する。巧妙に練られたトリックに驚くこと間違いありません。

イニシエーション・ラブ

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

 

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。

裏に「最後から二行目で、本書は全く違った物語に変貌する」という煽りが書かれています。初見ではトリックがよく理解できませんでした。巻末に用語辞典がついていて、これを読んでようやくトリックに気がつく。そして読み返したくなる。そんな作品です。

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